This California Life

『The Wolfpack』 現代のNYで隔離され映画だけを見て育った兄弟を追った衝撃のドキュメンタリー

The Woldpack ザ・ウルフパック(原題)2015

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2015年サンダンス映画祭でプレミア上映されたドキュメンタリー映画 『The Wolfpack』 はその信じられない内容に全米が驚かされました。

その驚きの内容とは

NYのローワーイーストサイドにある低所得者用のアパートに暮らすアングロ兄弟。双子も含め6人もいるこの兄弟は父親の考えで、学校には通わず母親から教育を受け育ちました。

しかも、彼らは家から出たことはこの15年の間に数えるほどのみ。外の世界、家族以外の人間との交流を全くすることなく育った彼らが、世の中について学ぶ方法は映画のみ。パルプ・フクションやレザボアドッグスといったお気に入りの映画の出演者になりきっては紙で作った銃で狭い家の中を駆け回る。

壁には自分たちで描いたたくさんの映画ポスターが貼られている。家の中にあるTVや電化製品といった類のものは全て年季が入っており、この家の中だけまるで時が止まってしまったかのように感じられます。

映画のセリフをタイプライターで打ち、自分たちで脚本を作りそれを読みあって遊ぶのが日課。手作りのバットマンのコスチュームを着て外を見つめる様子は、姿を隠すスーパーヒーローとどこか被る気も。きっと彼らもそんな風に映画の中のキャラクターになりきることでこの異常な空間で何十年も我慢し続けてきたのでしょう。

このドキュメンタリーの撮影が入ったことで、兄弟は団結し父親の反対を知りながらも外へ出る機会を増やしていくのですが、やっぱり外に出ると浮いてしまう… しかし、段々と兄弟に外の世界で自立したいという想いが芽生えてくる。

しゃべり方も世間のことも映画から教わった

教育免許を持つという母親のもとで教育を受けたとはいえ、話し方もやはりどこか変。漫画やアニメで日本語を覚えたという外国人のような感じ。異常に長い髪と服装さえ変えればどこにでもいる青年に見えるのですが、やはりどこか不思議な雰囲気を醸し出している。

それでも、彼らが幸運だったのは兄弟が多いことでしょう。そうじゃなければ、きっと父親の言いなりのまま、家の中で一生を過ごしていたかもしれない。

外の世界は刑務所だと語る父親

アメリカ中西部出身、若い頃ヒッピーだった母親はマチュピチュへの道のりでペルー人の父親と出会います。6人の息子と1人娘(障害があるようだった)をもうけるも、ドラッグや犯罪の蔓延するこの世の中は彼にとって刑務所だと、父親は語っています。

はっきり言ってこの父親はぶっとんでいて言っていることが一般人からすると意味不明なことばかりだったのですが、息子たちいわく父親は彼自身の部族を作りたかったそうです。当時ヒッピーたちの憧れだったスウェーデンに行きたかったということも話しています。

兄弟との出会いは奇跡だった

このドキュメンタリーで監督を務めたクリスタル・モーゼルは2010年マンハッタンのFirst Avenueを歩くAngulo Brothersを見かけ、あまりの光景に声を掛けたそうです。それから、彼らへ密着取材をするようになります。

ある日、三男がカメラに向かって「ある年は9回外に出たけど、1回だった年もあった。ただ、あの1年は全く外に出ることはなかった」 と語りました。なぜ外に出なかったを語らなかったのですが、このときのことについては監督もそれ以上話を聞くことができず、いかにデリケートな問題であったかをインタビューで語っています。

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